Why Do I Love These People?: Honest And Amazing Stories of Real Families


あの Po Bronson がシアトルに来る !! これは見逃せない !! というわけで、近所の本屋さんに、彼の新著についての Book reading イベントに行ってきた (1/31/06 Tue 7pm, University Bookstore)。


Why Do I Love These People?: Honest and Amazing Stories of Real Families

Why Do I Love These People?: Honest and Amazing Stories of Real Families


新著のタイトルは "Why Do I Love These People?"。 テーマは家族。 いわゆる雲一つないハッピーな家庭なんてのは少数で、多くの家庭がそれぞれに問題を抱えて悩みながら、家族との絆をある場合には断ち、ある場合には再発見しながら、日々の選択の中にある種の美しさを発見している。 Po Bronson は、数年をかけて全米およびイギリスで1000人を超える人たちに話を聞いてまわり、そのうちとくに多彩なメタファーをそのうちに含む 20 家族の実話についてこの本で紹介。


イベントでは90分をかけて、彼がなぜこの本を書こうと思ったのかという話と、彼が取材した 2 つの家族の物語を紹介。 彼の口調は心がこもっていて、彼がこの本を通じて伝えようとしたメッセージの真摯さを感じた。


彼のこの新著は前著 (What Should I Do With My Life?) と姉妹作で、2つの question を彼は問い続けているという。


Q1. "Days of stability are gone, we are facing constant upheavels in our modern life. There are a lot of constraints in our lives, but sometimes, there is a little bit of choice. (Especially for women, some possible choices today were not possible in the past.) Does that choice matter for each of us at all? Could some of our choices make the world a little bit better place?" (これは、前著 What Should I Do With My Life? のテーマと overlap している)


Q2. "Today there are choices to leave your family. For example, women can today leave abusive husbands through divorce. If keeping family relationship is a choice (not given), why do we choose to love our family?" (この question が新著のタイトルの意味に直結していると思う)


イベントでの彼の話の中で印象に残ったテーマをいくつか:


(1) Seeing complexity as it is. 社会学、哲学を語るのではなく、ありのままの本当の人生をありのままに見つめること。 巷にあふれる Self help, spiritual writings を彼はユーモラスに "ghetto" と呼び、人生の困難について考える助けとなる書物がそれしかないという状況は彼に言わせると "tragedy"。 (James Redfield, Wayne W Dyer の名前が思い浮かぶ・・・)。 ある人にとっての答えが他の人にとって答えであるとは限らない。 しかし、 "one answer for someone is not necessarily an answer for another one too, but still, real stories of real lives sometimes transform us."


(2) "Getting what you love." vs. "Loving what you get." 結婚相手、仕事探しなどにおいて、かならずしも夢を諦める必要はないが・・・。 印象に残った彼の言葉: "Great ones do not come along. Good ones come along. You will make them great."


(3) "We fear choosing" --- 困難に直面したとき "this is wrong." と shrink away してしまうのではなく、それが natural course であると受け入れることが、それを「自分の選択」として前向きに対処していくことでもある。 自分の希望と違う何かについて、それが wrong である、と片付けてしまう前に何かできることがあるかもしれない。


(4) "Seeing beauty in ordinary things" --- 家族との生活においては実に退屈な事実が繰り返される。 が、"those mundane events are testing us on our ability to see beauty in them." "You shift perspective and you see beauty in ordinary things." ロマンチックな恋愛の段階を過ぎたあと異性の人を愛し続けるのは、意志的な選択なのだろうと思う。 日常の言い争い、人間関係の摩擦の中に、私たちは beauty を見ることができるだろうか。


(5) Sociologist (社会学者) が今日 "new crisis" と呼んでいるものにはウソが多い。 子供と過ごす時間の低下、 Single parents の増加、晩婚化、Adoption の増加、同性カップルによる育児などについて crisis が叫ばれるが、これらは 50年前/30年前のデータと比べて現在とくべつ悪化しているわけではない。


この話のあと、Po Bronson は Brian (ナイジェリアからアメリカに来た孤児) の家族の話と、 James / Jennifer 父娘 (Chinese Restaurant で働く父と仲たがいする娘) の話を紹介した。


とても印象に残る Book reading event で、行ってよかった。 Event のあと、著書にサインをもらう列で一人ひとりに丁寧に話しかけていた彼の姿が印象的だった。