社会起業と事業型NPO


少し前に考えていた自分のやってみたいこと (1/13/06)
http://d.hatena.ne.jp/matsuuchi/20060114#p1
についてあれこれ調べていたら、既存の営利企業を使ってやろうとするのと同じぐらい有望な可能性として、事業型NPOとして社会起業するという手段を検討したほうがいいことがわかった。


日本ではどうやら今、ETIC, JSEF (社会起業家フォーラム) などの団体を中心として、社会起業、ソーシャル・ベンチャーの動きが少しずつ活発になっているらしい。 Social Entrepreneurship には以前から興味を感じているので、もしかすると自分の今後の仕事として この方向の可能性を今検討したほうがいいのかもしれない。 いわゆる純粋に営利目的に事業を拡大していく活動よりは、社会の変革が第一ゴールであって営業利益はその「手段」である (ただしボランティアには頼らない)、という仕事のほうがなんとなく自分の考え方にしっくりくる。


この方向に今後進むために自分に今欠けているのは、経営・営業・総務・マーケティングの仕事の経験と、いろいろな人とのネットワーク。 自分のベースはエンジニアなので、IT技術を自分の仕事にどう使うかについては自分で考えることができてとても便利なのだが、「技術屋」からの脱皮を図るにはどうすればいいだろうか・・・。


自分に必要な経験が得られるポジションを探して転職するか。 人とのネットワークの機会の多いポジションを探して転職するか。 それとも、経験不足を承知で今すぐ事業型NPOを起業してしまうか。 経営とは、自分に欠けているものを持っている人を見つけて協力してもらうことでもある、とすれば、人とのネットワーキングが今後の自分にとって最重要課題であり、自分自身が必ずしもすべての分野で経験を積んでいる必要はないのかもしれない。 自分が関係をもちたい相手は、エンジニアというよりはどちらかというと、将来ビジネス・パートナーになってくれる可能性のありそうな、社会変革への意欲のある人だと思う (もちろん、エンジニアの中にもこういう意欲を持った人はいる)。


今の私は、「グローバル (世界的) な貢献はローカルな貢献よりもエラい」という言葉をすでに素直には信じていない。 グローバルな貢献というのは要は金銭的に世界中で利益を上げるということにすぎず、私が興味を抱いている社会変革とは直接のつながりがない。 多くの社会変革は、地域レベルで起こる。 世界の中で見たとき、日本というのはとてもユニークな地域の一つだし、日本の中にも、数多くの地域がある。


今すぐ事業型NPOを起業することが難しいとすれば、転職先の企業を選ぶ基準のひとつは:
 ・「社会変革への意欲のある人との出会いのチャンスの高い企業かどうか」
 ・「その企業そのものが、グローバル・テクノロジ中心主義ではなく、地域性に根ざした社会変革を指向しているかどうか」
ということになりそうだ。


おまけ。 いろいろな情報収集のリンク集:
http://d.hatena.ne.jp/matsuuchi/20060126#p1
地域振興、青少年啓発、シニア向けビジネスなど、参考になりそうな事例がすでにたくさんある。 小学生・中学生・高校生向けのキャリア教育支援サイトがすでに存在しているなんて、知らなかった。。。